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双六テント泊登山(4)祖父岳と黒部源流 [山歩き(テント泊)]

双六テント泊登山 2日目。
双六小屋のテント場にテントを張ったまま、サブザックで軽量登山。4時間ほどで鷲羽岳の山頂へ。
そこに居合わせた人に、「あの山に行けば雲ノ平が見えますよ」と祖父岳(じいだけ)を指して言われます。

少し迷いましたが、昨日より雲のかかり方が少なくて、天気も持ちそうなので行ってみます。コースタイムは4時間。その後双六小屋まで2時間半あります。こうやって、ゆっくり山歩きしようと思ってきたのに、欲張ってコースタイムを詰める「作業」になってしまうのは悪いところなんですが。
とりあえず三俣山荘までのルートはこんな感じで、地形図にコメント入れてみました。
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迷っている時間が長くて9:45出発、長い後半戦が始まります。
まずは20分ほどで隣のワリモ岳へ。結構岩ごつごつですね。奥の水晶岳への稜線も気になりますが、またの機会にしよう。
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振り返ってみる鷲羽岳と槍ヶ岳もなかなかいいですね。
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ワリモ岳山頂はちょっとおっかない岩でしたが、下に歩いてる人が見えます。登山道を間違えて登ってきてしまったようです。あぶねえ。向こうの右側に見えるこんもりした山がこれから向かう祖父岳。
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10:25「ワリモ北分岐」
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次はこれを歩きます。いいねえ。
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お花がきれいな斜面。これを下っていくと高天原温泉。
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祖父岳の登りの途中で通せんぼをしている鳥たちがいました。そーっと見ていると全然逃げる様子もありません。
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しばらくしたら茂みの方に入っていきました。
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11:15 祖父岳山頂。ぐるーっと周りを見回せる平らな山頂です。これは北側。遠くに立山が見えます。
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これから歩いていく黒部源流と、三俣山荘方面。双六小屋も見えていますが、遠いなあ・・・
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最初の予定では三俣山荘で優雅なランチだったのですが、たまたま食料を持っていたばかりに三俣山荘を見ながらのパンのお昼になってしまいました。でも喉が渇いてイマイチ食べれません。
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30分ほど休憩しまして、11:45、出発。
祖父岳はいかにも火山という感じの岩がゴロゴロしていて、この山の溶岩でできた台地が雲ノ平だそうです。
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これがみんなが憧れる雲ノ平か・・・
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ちょうど雲ノ平の山小屋に日が差しています。
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山を下りたら左折して雲ノ平の東端を歩いて戻ります。時間帯が良くないのか、ほとんど人に会いませんでした。
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そして黒部源流への急な下り。写真左下に分岐点が見えますがあそこまで下ります。
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20分ほど難儀した下りを歩き、13:00、黒部川源流との渡渉点に着きました。ロープが張ってありますが水量の多いときは恐そうです。
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今は北から南へ流れていますが、これが北へ向きを変えて黒部ダムを通って日本海に流れていくそうです。
きれいなお水です。
暑かったので上半身脱いで頭からジャバジャバかぶって、お水も飲みました。最高。
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少し上がったところに、黒部川水源地標なんてものもありました。
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源流から三俣小屋まで30分ほどで登り、少し休憩。
700円のペットボトルを買って水分と糖分を補給し、13:50、双六小屋に向けて坂を上ります。
雲がちょっと怪しいですが山はよく見えていました。
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30分ほど登った峠からは「巻道」を歩いていきます。もう三俣蓮華岳に登り返す元気もありませんし、この緩い感じがいいですよ。
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お花を見ながら最後の散歩。しかし、遠いなあ・・・
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巻道は楽だと思っていたのに、後半、双六の近くで壁のような登りがありました。もう限界近いのになかなかの仕打ちです。ほかの人も「この巻道、楽だと思ったらだまされる」と言ってました。こんな時間に三俣方面に向かう親子とすれ違いますが、大丈夫なんだろうか・・・
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15:45、11時間ぶりに双六小屋に戻ってきました。この日歩いたコースは、ヤマタイムによれば距離約16km、標高差累計1600m、標準コースタイムは10時間45分。
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テント場に戻ってしばらくすると雷雨になりました。雨はしばらく降り続けました。
小降りになるのを見計らって晩ご飯にします。今日はカレーメシ。
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鷲羽岳の山頂で見かけたソロの女の子が隣にきて、おしゃべりしながらテント立ててたら雨が降り出してきたので、お節介と思いつつ張り綱用の石集めをしたら、お礼にハーブティーをいただきました。
甘酸っぱくておいしい紅茶でした。
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今日も夕日夕焼けはダメでした。
雨はやみましたが、稲光が遅い時間までどこかで光っていました。
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双六テント泊登山(3)三俣蓮華岳・鷲羽岳へ [山歩き(テント泊)]

双六小屋のテント場から日の出前に歩き始め、「天空の滑走路」を経て双六岳へ。
6:15、稜線を三俣蓮華岳方面へ北上していきます。
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目指すは、双六小屋の向こうに見えていた鷲羽岳です。
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右手には緩やかな大地の向こうに槍ヶ岳。真ん中に見える道は「中道」と呼ばれる巻道。
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途中の「丸山」付近から歩いてきた道を振り返ります。ゴキゲンの稜線歩き。
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7:10 三俣蓮華岳着。
三俣蓮華岳はその名のとおり、長野、岐阜、富山の3県にまたがる山で、山頂でそれらしき標があったのですが、写真撮るのを忘れてしまいました。
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三俣蓮華岳の山頂から北を見ると、遠くに剱・立山。左側にどっしりとした薬師岳、そしてその手前が、北アルプスの最奥部と言われる雲ノ平です。雲ノ平は想像よりも平らで、標高の高い台地でした。
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三俣蓮華岳からは、いったん槍ヶ岳側に下ります。三俣ー双六の巻道も景色がよさそうです。
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そして、目指す鷲羽岳。
鞍部にあるのが三俣山荘ですが、ずいぶん下るんだな。
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三俣山荘。ここでお水を補給。
山荘にはおしゃれな食堂もあるので、お昼はここでゆっくりしようかな。
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8:10 鷲羽岳へ向かってスタート。標高差420mの登りです。
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登りえぐいw
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双六小屋から鷲羽岳が見えるということは、鷲羽岳からも双六小屋が見えるんじゃないの、とカメラを望遠にして撮ってみた。
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右手に鷲羽池。SNSでよく見るきれいな池ですね。
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9時過ぎに鷲羽岳山頂着。
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南西の黒部五郎岳方面。
眼下には三俣山荘から雲ノ平へ向かう道が見えますが、黒部川源流からの登りがなかなかエグイ。
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奥の山は祖父岳(じいだけ)
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北側にはさらに稜線が続いています。
右側の高い山は水晶岳でしょうか。「あそこまで行ったら?」とおっしゃる方もいましたが、ここから片道2時間半。双六小屋に戻るにはちょっと距離があるな。どうやら百名山の一つだそうです(というのを後で知った)
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そんな中、高校生の娘さんと歩いているお父さんが薬師岳の方を指して、「あの(手前の)祖父岳(じいだけ)まで行くと雲ノ平が見えますよ」と教えてくれました。

このまままっすぐ下山すれば三俣山荘まで1時間。
しかし、祖父岳をまわって、黒部源流に下りて三俣山荘に戻るのはコースタイム4時間、テントがある双六小屋へは更に2時間20分。
さあ、どうしようか。
「雲ノ平が見える」という言葉にちょっと引かれています。
今は朝9時過ぎ。山頂で地図を見ながらしばらく思案します。

つづく
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双六テント泊登山(2)双六台地と双六岳 [山歩き(テント泊)]

双六テント場での夜。
寒いかなと思ってメッシュインナーを着て寝たところ、うまく体温調整ができなくて凍え死ぬかと思うような寒気がして、10時過ぎに目が覚めます。テントから外を見ると、夕方かかっていたガスも雲もすっかり取れて、眩しい月が出ていました。ちょっと小屋前まで散歩してみます。
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月明かりでくっきり見える鷲羽岳。
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テント場も写真にするとこんな感じ。
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再びテントに戻って寝ましたが、山のテント場は3時過ぎから周りの人が準備を始めます。前夜あまり寝てないので自然体で起きようと思っていましたが結局4時過ぎに起きてしまいます。そして4時半にもなると多くの人が出発します。こんな朝早くにテントを畳んで出かけられるなんて、山の人たちには感心します。
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テント場は連泊なので、大きな荷物は置きっぱなしで、雨具と水と食料だけ持って、日の出前にまずは双六岳に向かいます。登り始めて10分ほどの5時ちょうど、燕岳の向こうから日が昇ってきました。
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更に登ると槍ヶ岳が見えてきました。
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チングルマ
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今日はずーっと向こうの方、鷲羽岳まで行ってみようと思います。
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ちょっとした岩場の急な登りを登って行きます。
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小屋から30分ほどで、急に平らなところに出ます。
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双六岳の東側には緩いというかほぼ平らな場所が広がっています。
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南側には、笠ヶ岳と、向こうは手前から焼岳、乗鞍岳、御岳(かな?)
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双六岳に向かって、大地の上をまっすぐに道ができています。
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そして、歩いてきた後方。
「滑走路」と呼ばれる槍ヶ岳へ延びる道。
ずっとこれが見たかったんよ。
これが見たくて、双六にテント泊したくて、一通り道具揃えたんよ。
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槍穂高のきれいな眺め。
ここで隣のテントのお兄さんがちょうど山頂から下りてきました。お兄さんは今日下山とのことで、「この場所最高!」と楽しく話をして別れました。
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山頂に足を進めるも、また振り返ってしまいます。
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朝6時、標高2860mの双六岳山頂に着きました。
360度の眺め。
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山頂の西側には、黒部五郎岳、その向こう(右側)に薬師岳。鞍部に見えた小屋は太郎平小屋かな。西には白山、北には立山・剱らしき山も見えます。
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が、やっぱり「滑走路」と槍ヶ岳ですね。
どんだけ好きなんだって 笑
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続く
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双六テント泊登山(1)新穂高から双六小屋へ [山歩き(テント泊)]

8月の第1週、木・金と休暇が取れることになりました。
単独行の4連休。さあ、どこ行こう?
まず思いついたのは北海道サイクリングですが、天気が良くなさそうなので×。
4日あると2~3泊の行程が組めるんですが、山の日がある翌週には北アルプスの某所へ行く予定だったので、これまで足を踏み入れたことのない南アルプス南部に行ってみよう、と思ってプランを考えていました。
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しかし、南の海の台風や低気圧の影響で、南の方は不安定な天気になるとの予報を受け(実際は好天だったらしい)、出発当日に急遽北アルプスへ行き先を変更、テント場も空きがあるようなので、駐車場争奪戦が激しいと噂される新穂高目指して車を走らせます。
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松本1時、平湯2時と通過し、2時半過ぎに新穂高の登山者用無料駐車場に車を入れますが、既に枠外に停めている車が多数いる状況で、幸い2台分空いていたうちの一つに車を入れます。明るくなるまで2時間くらい寝れそうです。
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が、目が覚めたら7時前でした。しまった寝坊した・・・
午後は雷雨に気を付けてくださいという予報の中なのに。

7:15新穂高スタート。車で下見に来たことはありますが、新穂高から歩くのは初めてです。
今日のコースは双六小屋まで約13km、標高差1600m、コースタイムは途中の鏡平までが5時間、目指す双六小屋までは7時間の行程です。
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最初は林道歩きですが、山の眺めもいいのでそれほど退屈しません。
50分ほどで笠ヶ岳の登り口。
笠ヶ岳もいつか登ってみたいんだけど、きつそうだし途中水場がなさそうなのでちょっと考えちゃうな。
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そして新穂高から1時間ほどで「わさび平小屋」です。
美味しそうな果物とかラムネとか売っていたのですが、スポドリを飲みながら歩いているので、ここでは水の補給だけ。
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再び林道歩き。
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小屋から20分ほどの8:50、いよいよ登山道に入ります。
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「小池新道」って名前がついています。歩きやすい道ですが、暑くてたまらない。
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槍が見えています。予想以上に眺めのいい楽しい道です。
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9:40秩父沢出合。冷たいきれいな水がザバザバと流れています。水はここで汲んでもよかったかなと思いましたが、8月下旬は涸れていたそうです。
穂高に雲がかかり始めました。朝早く出てれば、と悔やまれます。
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道は歩きやすいし斜度もそれほどでもないように見えるのですが、久しぶりの荷物の重さと暑さで厳しい登りとなりました。
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標高2000m地点くらいから振り返ります。11時にシシウドヶ原を通過。
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「あと5分」とある石を見ながらどうしても歩みが進まず10分くらい止まっていました。
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11:45 鏡池。槍・穂高が湖面に写るそうなのですが。。。寝坊したのがいけないんです。
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鏡平山荘。みんなかき氷を食べていました。ジュースの自販機もあります。水は有償。
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お昼を食べて出発しようとしたのですが、これを食さないともう頑張れない気がして1,100円のコーヒーフロートを頼んでしまいました。しっかりと苦みのあるコーヒーの上に甘くて硬めのアイスが乗っかってる。めちゃくちゃおいしかったです。水分を取ろうと氷までガリガリ食べていたら意外と大休止になりました。12:30に小屋出発。
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ここからは山梨の北杜市から来たという山慣れした明るいお兄さんと付きつ離れずであれこれしゃべりながらの登りです。
急登を過ぎるとこういう緩い道好き。晴れてれば槍穂高を一望できるすごいいい山道なんじゃないかな。
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足元にはお花がたくさん。
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先ほどの鏡平山荘がはるか眼下に望めます。
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1時間ほどで弓折乗越。稜線に出ます。
雲の合間から槍ヶ岳が見えそうで見えない。
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ここからは稜線のアップダウンになります。こんな広いところも。遠くにちょこんと頭を出しているのが鷲羽岳(と、お兄さんが教えてくれた)
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夏だなー
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そして、14:10。双六のテント場が見えました!
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テント場と鷲羽岳アップ
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しかし、テント場が見えてからもアップダウンがあって意外と長い。30分後の14:45、新穂高から7時間半もかかってやっと双六小屋に着きました。雨に降られないでよかった。
小屋は賑わってますね。
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よく頑張った!
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砂地の広いテント場です。この日は高校の山岳部っぽい団体が何組も泊まっていました。眺めを考えると池の方を向いた南向きかなと思ったのですが、ちょっと南から風が入ってきそうなのと、段差をベンチ代わりに使いたいので、北向きにテントを張りました。鏡平から一緒だったお兄さんが隣で、登山中に引き続き楽しいおしゃべりを続けます。
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ギザギザのマットを買ってみました。サーマレストのではなく、楽天で1700円くらいで売っていた安物です。エアマットと比べ収納時に時間がかからないのがポイント(片づけ苦手なので)
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この日の晩ご飯は、賞味期限切れで家に転がっていた缶詰を持ってきたので、アルファ化米は白米にしました。缶詰を汁ごと白米の袋に入れて食べたらいけました。何を食べてもいける状態かもしれませんが。
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雲が多くて夕焼けは微妙な感じでした。雲は染まったんですが。
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つづく
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