宮城・岩手県境にある栗駒山の紅葉は「神の絨毯」と呼ばれるほど美しいとのことです。栗原市の観光サイトもこの通り。

何年も前から見てみたいと思っていたのですが、仙台の更に北にあるってちょっと遠い。でも、例年だと9月末が見頃の紅葉が、今年は夏の猛暑で遅れていて、ちょうど10月の3連休に見頃がずれ込みそうな感じになっていました。これは今年チャンスですね。

自宅から栗駒山のふもとまでは約500km。最初はいつものごとく車で行って車中泊登山と思っていたのですが、ガソリン代と高速代合わせて片道15,000円くらいかかります。これなら新幹線の方が安いし、自転車を輪行してサイクリングも楽しめばいいのではないか・・・と思って見つけたのがJR東日本の「週末パス」
https://www.jreast.co.jp/tickets/info.aspx?GoodsCd=2546

この切符、土休日の連続する2日間、関東甲信越から南東北までのJR東日本エリアが乗り放題(特急券別)。ちょうどフリー区間の北限が、栗駒山の玄関口のくりこま高原駅なんですね。値段も8800円と、横浜からくりこま高原往復(新幹線特急券別で約15000円)もだいぶお得になります。

そんなわけで、10月3連休初日。輪行袋を担いでやってきたのは品川駅です。
せっかくのフリー切符なんだから単に新幹線でくりこま高原まで往復するだけでは面白くないと思い、常磐線で北上します。水戸から北に乗るのは学生時代以来じゃないかな。


いわきで鈍行に乗り換え、原ノ町でもう1本乗り換えて、相馬駅で下車します。朝出たのが遅かったのでもう14:30ですが、せっかく自転車を持っているので少し走ろうと思います。

常磐線の相馬から北は、東日本大震災の津波で線路が流されてしまう被害があったところです。震災からもう10年以上経っているし、東北に来る機会は何度かあったのに、津波の被災地を自ら訪れるのは初めてです。
相馬駅からまず向かったのは、海沿いにある「相馬市伝承鎮魂祈念館」
https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-22/densyo-guide93.pdf


そこから、県道相馬亘理線を北上していきます。この道路は、水没した常磐線の線路跡を嵩上げしてできた道路。常磐線は山側に高架線を建てています。
収穫前の水田がきれいです。秋の東北。


県境。宮城県へ入ります。


宮城県に入りしばらくすると、右手に学校が見えてきます。
「山元町震災遺構中浜小学校」。宮城県南部に残る唯一の被災建築物だそうです。
https://www.town.yamamoto.miyagi.jp/site/ruins-nakahama/




手前から奥に津波が流れ、窓枠に引っかかってモノが詰まっている様子。


屋上からは海が見えます。


今は何もありませんが、学校の周りには集落があったそうです。


津波は2階天井付近まで到達したそう。みんな屋上の倉庫に逃げて助かったとはいえ、津波がもう少し高かったら、学校建設時に敷地を嵩上げしてなければどうだったろう?と考えさせられる展示でした。


15:45に入って、職員の方にお話を伺ったりしていたら、あっという間に16:30の閉館時刻になってしまいました。入館時に受付のおじさんに「来るのが遅い」ときつめに言われてしまったのですが、確かにもっと時間かけても良かったと思いました。


学校を後にして、集落があったところを走ります。今は畑になっています。


もうすぐ日没です。


どうやら駅があった場所のようです。


日も沈んでしまったし景色も単調だったので、走るのは諦めて数百メートル内陸に移転した常磐線の山下駅で輪行します。この日の走行距離はわずか26km。


再び電車の旅で、仙台に向かいます。


仙台では駅の「牛タン通り」はどの店も行列。それに、どこもいい値段がします。なので、構内の駅そばやさんに入り「唐揚げうどん」を頼んだら、でっかい鶏肉が2枚も入ってきました。これには満足。


仙台からまた鈍行列車で北上し、小牛田でディーゼルカーに乗り換えます。


古川で新幹線に乗り換え。


ひと駅分だけ新幹線に乗り、夜9時前にくりこま高原駅に着きました。仙台から新幹線乗っちゃえば全然早いんですが、新幹線って隣駅までの自由席が安いので節約しました。


3連休で泊まるところなんかないだろうな、古川のネカフェで一晩過ごそうかと思っていたところ、偶然にも、くりこま高原駅前のホテルが取れたので投宿します。値段も施設も普通のビジネスホテルですね。

ホテルの反対側には大きなイオンがあったので、ぶらぶらと買い出しに行ったのですが、お弁当の類はすでに売り切れていて、翌日の飲み物や食料を買って帰りました。そんなに寒くなくて、これならホテルに泊まらなくても寝袋持参で駅寝でも良かったかな?と思った夜でした。