燕岳登山の続き。

1943年(つまり、戦時中)の小学校の教科書に、その名も「燕岳に登る」という、学校登山の紀行文が載っていたようです。
http://sybrma.sakura.ne.jp/192tsubakurodakeninoboru.htmlから引用させていただきました。
先頭は、もう山小屋の右下の鞍部にたどり着いた。

「早く來い。向かふは晴れて、山がすてきだぞ。」

と、だれかが帽子を振りながら、ぼくらに叫んでゐる。

 やがてそこへ登り着いたぼくらは、何といふすばらしい景色を、西の方に見渡したことであらう。

 左端の穗高に續いて、槍岳が、それこそ天を突く槍の穗先のやうに突き立つてゐる。更に右へ右へとのびる飛騨山脈が、蓮華・鷲羽・水晶・五郎と、大波のやうに、屏風のやうに、紫紺のはだあざやかにそそり立ち、うねり續く雄大莊嚴な姿。・・・・・この大自然がくりひろげる景觀に打たれて、ぼくらは、ほとんど一種の興奮を感じるほどであつた。

戦時中に戦争物でない紀行文が教科書に載ってたんだ、というのも新鮮だし、それにこんなの教科書に載ってたら授業なんて上の空ですよね(笑)

中房温泉から3時間、燕山荘着。


「槍岳が、それこそ天を突く槍の穗先のやうに突き立つてゐる」

「更に右へ右へとのびる飛騨山脈が、蓮華・鷲羽・水晶・五郎と、大波のやうに、屏風のやうに、紫紺のはだあざやかにそそり立ち、うねり續く雄大莊嚴な姿。」


いやあ、すごいな。
向こうの山脈との間に横たわる谷がものすごく深く感じます。

それでは燕岳に行ってみましょう。
燕岳の奥に見えるのは立山じゃないかな?


コマクサ群落


槍ヶ岳とイルカさん。


それにしてもいい展望です。
槍ヶ岳・笠ヶ岳はわかるけど、その右側は難解だな。(双六~三俣蓮華~鷲羽くらいでしょうか)


燕岳山頂。360度の眺望です。
燕山荘から大天井岳への稜線が見えます。


北側。
ああやっぱりあれは立山だな。
しかし、立山の手前にある北燕岳が邪魔です。


じゃあ北燕岳にも行ってみよう。


10分ほどで北燕岳に登れました。こちらに来る人はいません。静かな山頂です。
北燕岳から見る立山方面~白馬(たぶん)


龍王岳ー立山三山ー剱岳。意外と近いのかな。


燕岳方面を振り返ります。
まだ富士山見えてます。


「こんにちは!」「・・・・」


燕山荘に戻って、ちょっと休憩。
ガスもバーナーもドリップコーヒーも背負ってきたんですが、ついつい小屋のケーキセットを頼んでしまいました。山の上でこの景色を見ながらこんなケーキが食べられるなんて!身体が糖分を欲していることもあって、めちゃくちゃおいしかったです。


燕山荘のテント場。
ここにテント張って、燕山荘でケーキ食べて日が暮れるまでぼーーーーーっとしていたらどれだけ幸せなんだろうと思いますが、今日は日帰りです。


対岸の山々はどこがどこだか見ただけではなかなかわかりません。
地形図を見ながら山座同定して遊びました。


たぶんこうかな?


大天井岳に向かうこちらの道もいつか歩いてみたいです。


ということで、未練おおありですが、12:45に燕山荘を後に下山します。


合戦小屋まで40分、中房温泉まで2時間15分。
意外とすんなり下れたな。


中房温泉から車で帰ります。
来るときはわからなかったけど意外とすごい道。
こんな道ならプジョーでなくてミラで来た方がよかったな。


帰りの途中、ひまわり畑がありました。
この夏最初で最後のひまわり畑でした。
夕方まで雲もかからず、いい天気の1日でした。


燕岳。
標高はそれほど高くないし、初心者向けっぽくってどうなんだろう?と思っていましたが、今回登ってみて、事前に考えていたよりずっと素晴かったです。歩いて危ないところもないし、中房温泉に車を止められさえすれば意外とお手軽なんで、また行ってみたいです。